2.1から2.4

次回2.5の前半を担当する.


気になったトピックをいくつかメモ.
まず誤植.日本語版なら76ページ.ユニタリ演算子を恒等演算子のまわりで1+i\theta^a t_a + \theta^b\theta^c t_{bc}と展開した時,t_{bc}はエルミートでもなんでもない.これはひどい誤植,というより明らかな間違いだ.


状態がローレンツブーストにより\psi \rightarrow U\psiと変換されるとしよう.
この時,物理量Aの期待値は,\langle \psi |U^\dagger A U | \psi \rangleと変換される.
状態\psiは変化しなかったと思うことにすれば,演算子AがU^\dagger A Uに変化したとみなすこともできる.
これは,観測者が"逆"ローレンツブーストされたとみなすことができるだろう.このような見方はいつでもできるはずだ.変化をどっちに押し付けて解釈することもできるからである.


反線形演算子(A^\dagger \phi,\psi)^* = (\phi, A\psi)は物理量を表しうるだろうか?
固有値が実数になる,というのがおそらく条件.
(\psi,A\psi)=(A^\dagger \psi,\psi)^*だから,A\psi = \lambda\psiの時A^\dagger\psi = \lambda^* \psiとなれば良いのか.
こんなのあったら面倒臭そうだから,あったらやだなあ….時間反転演算子だけで十分です.