19章

弱い相互作用左巻き粒子にしか作用しない.この時,ゲージボソンだけでなく,電子やニュートリノの質量項はゲージ対称性により禁止される.これらに質量を与えるのはヒッグス機構による.
とりあえず,ヒッグス機構はおいておくと,この理論にあらわれるフェルミオンは質量0のものばっかりであり,古典的には保存する軸性カレントにはアノマリーが現れる可能性がでる.
ゲージ対称性を反映したカレントは,この時j={\bar \psi}\frac{1-\gamma^5}{2}\gamma^\mu \psiというように書かれる.この形は弱い相互作用左巻き粒子にしか作用しないため.
このカレントもアノマリーの影響を受ける可能性がある.
これはゲージ対称性が危険にさらされるということを意味する.16章でみたように,ゲージ対称性はS行列のユニタリ性を保証してくれるなど理論を根幹を支えていたので,これが崩れるのは相当まずい.
ということで,左巻き右巻きが対称でないような理論では,あらわれるフェルミオンのセットがアノマリーをゼロにするようなものを持ってこなければいけない.のだ.


しかし,W,Zボゾンはヒッグス機構(か何か)により質量を得るわけで,この場合ゲージ対称性は破れている.この場合のユニタリ性の保証ってどうなっているのだろう.あくまで,真空が対称性を破っているだけだから,ゲージ対称性そのものは破れていないということになるのか?自分でも意味不明.