フェルミオンかボゾンか

5.7では因果律ローレンツ不変性)を満たすための条件から,スピンが整数ならボゾン,半整数ならフェルミオンであることが,一般的な結果として導かれる.
ただ,教科書で書かれているのは非常に抽象的な計算の結果であり,なぜスピンの値が粒子の統計性と結びつくのか,というのは結局よく分からない気がした.
できれば直感的な理解を得たいところだが,因果律を満たすというのも,演算子の(反)交換関係というのも,相当に抽象的な話であるから,直感的なストーリーに焼きなおすのは相当難しいように思える.
どうすりゃいいのかね.


場の演算子は,粒子の生成・消滅演算子ありきで構成される.だから,問題となるのはあるスピンを持った粒子の演算子からどんな場を構成できるか,ということ.
例えば,スピン0の演算子からは,スカラー場,ベクトル場,トレースゼロ対称テンソル場etcを構成できる.ただ,添え字の多い場は,少ない場の微分で構成できるので,本質的なものは一つだけだといえる.