(5.3&5.4)ベクトル場,スピノル場

適当にベクトル場を用意すると,スピン0の部分とスピン1の部分に分けられる.というのは回転群の既約表現に分解すれば分かる.
ベクトル場に含まれるスピン0成分は,スカラー場の単なる微分でしかないことが分かるのでいらない.


ピノルに関して復習しなおさなければいけないようだ.冬休みにgeorgiの該当部分を読んだのだが,あまり身についていない.ローレンツ群などの非コンパクトリー群に関する記載はないが,SO(3),SO(4),SO(5)あたりについて考えれば,だいぶ手助けになりそうだ.


SO(3)のfundamental representationは,2次元のspinor表現ひとつ.いわゆる3次元ベクトルはspinorふたつから対称テンソルにより作られる.
SO(4)のfundamental representationは,2次元のspinor表現ふたつ.SO(4)はSU(2)\timesSU(2)とたまたま同型となっており,ふたつのspinorはそれぞれのSU(2)の表現となっている.4次元ベクトルは2種類のspinorの直積だ.
SO(5)のfundamental representationは,5次元ベクトルと4次元spinor.


georgiに乗っている構成法に従うと,SO(5)のspinor表現において,
M_{15} = \sigma_1/2,M_{25} = \sigma_2/2,M_{35} = \sigma_3\eta_1/2,M_{45} = \sigma_3\eta_2/2
M_{12}=\sigma_3/2,M_{23}=\sigma_1\eta_1/2,M_{31}=\sigma_2\eta_1/2
M_{14}=-\sigma_2\eta_2/2,M_{24}=\sigma_1\eta_2/2,M_{34}=\eta_3/2
後半2行は,SO(4)のspinor表現を構成する.
\sigma,\etaはそれぞれPauli行列.\sigmaどうし,\etaどうしは行列の掛け算に従うが,\sigma\etaテンソル積だとみなす.)


また,SO(3)のspinor表現は,M_{12}=\sigma_3/2,M_{23}=\sigma_1/2,M_{31}=\sigma_2/2と構成できる.
これはSO(4)の中の部分群を為しているわけで,ここからSO(4)を構成するにはM_{34}を付け足してやればよい.spinor表現の性質からM_{34}=\pm\sigma_3/2となる.このとき交換関係から,M_{14}=\pm\sigma_1/2,M_{24}=\pm\sigma_2/2となる.
まとめると,M_{12}=\sigma_3/2,M_{23}=\sigma_1/2,M_{31}=\sigma_2/2
M_{14}=\sigma_1\eta_3/2,M_{24}=\sigma_2\eta_3/2,M_{34}=\sigma_3\eta_3
SO(5)から構成した表現と異なるようにみえるが,行列を書き下してみると基底の並べ替えにより一致することがすぐに分かる.