自発的対称性の破れ

今回のノーベル賞に関連して,学科の連中と議論になっているのが「物理が専門ではない人間に,いかにして自発的対称性の破れを解説するか」という問題である.
これは実に難しい.自発的対称性の破れというのはかなり抽象的な話であり,厳密な定義や議論は数式を用いるほかないからだ.
さらに,完全に理解しているかと自問してみると,そこもちょっと自信がないような気がしてくる.
しかし,「基礎科学に携わる人間は,自分が学んでいる分野がいかに意義深いものか,そして魅力的であるかを目をキラキラさせながら語る義務を負っている」という信条を自分は持っているので,できるだけ分かりやすく正確さを失わないような説明ができたらいいなと,頭をひねっている.